JOURNAL

( ドッグラボのモノ語り )

2026.07.02

事故を防ぎ、愛される空間を作る。「安全なドッグラン」構築のための必修ガイドライン

前回のコラムでは、国内のペット事情や市場データを元に、ドッグランが単なる娯楽ではなく「ペット共生社会を支える不可欠なインフラ」として求められている背景をお伝えしました。

しかし、需要が高まる一方で、現在の日本にはドッグラン設置に関する統一された公的な安全基準や規格が存在しません。 そのため、安易な設計や適当な資材選定によって設置されたドッグランでは、犬の脱走や事故、トラブルが発生し、かえって施設のブランド価値を損ねてしまうケースも少なくありません。

ドッグランが真にその集客力と効果を発揮するためには、どのような配慮が必要なのでしょうか。今回は、私たち「DOGLABO(信建工業)」が約20年の施工実績と知見から構築してきた、安全なドッグラン作りの必須ガイドラインを解説します。

「事故ゼロ」を支える3つの安全設計原則

ドッグランにおける最大の事故リスクは「脱走」「犬同士の喧嘩・噛み付き」「利用者の転倒やケガ」です。これらを構造的に防ぐため、設計段階で以下の3点が不可欠となります。

跳び越え・すり抜けを防ぐフェンス計画

フェンスの高さは、中・大型犬の跳躍力を考慮して最低でも1.5m〜1.8m以上を推奨します。また、小型犬の頭部が入ってしまう隙間があると、挟まりや脱走の原因になります。メッシュの目合いやフェンス下部と地面との隙間(10cm以下、理想は地面への埋め込み)を綿密に計算することが重要です。

脱走を構造的に防ぐ「二重扉(インターロックゾーン)」

出入口には必ず二重扉を設置します。一方が閉まっていることを確認してからもう一方を開ける仕組みにすることで、ノーリードの犬が一瞬の隙を突いて外へ飛び出す事故を確実に防ぎます。

体格別のエリア分け(セパレート構造)

大型犬と小型犬では、体格も運動量も大きく異なります。悪気がなくても、走っている大型犬と小型犬が接触するだけで重大なケガにつながるため、小型犬用・中大型犬用(あるいはフリーエリア)のようにエリアを明確に分ける区画設計が必須です。

犬の足腰を守り、衛生面を維持する「舗装材選定」

ドッグランの「床(グランド)」は、犬の健康維持と施設のメンテナンス性(維持管理コスト)を左右する最も重要な要素です。

  • 天然芝: 足腰への優しさと見た目の美しさは抜群ですが、激しい走走による摩耗、日陰での育成不良、雑草・害虫対策、そして定期的な養生期間(利用停止期間)が必要になるという運用上の課題があります。
  • 土・砂利: 施工コストは抑えられますが、降雨後の泥ぬかるみや、砂利を犬が誤飲してしまうリスク、足裏を傷つける危険性があります。
  • 高機能人工芝・ゴムチップ舗装: 近年主流となっている選択肢です。犬の関節に負担をかけない適度なクッション性を持ち、水はけ(透水性)に優れ、雑草や泥の心配がありません。また、抗菌・防臭機能を備えた資材を選ぶことで、おしっこ等の衛生面やニオイ問題も劇的に改善されます。

設置場所の環境(日照・排水性)と、運用コストまで見据えた最適な舗装材の選定が欠かせません。

利用者の快適性を高める「附帯設備とマナー周知」

安全面だけでなく、愛犬家が「また来たい」と思える快適な環境づくりも重要な要素です。

  • 水飲み場・足洗い場: 熱中症対策や帰宅前のケアのために必須の設備です。犬が水を飲みやすい高さや排水配慮が必要です。
  • 日よけ(シェード・東屋)とベンチ: 夏場の直射日光は犬にとっても飼い主にとっても大きな負担です。日陰を確保し、飼い主同士のコミュニケーションが生まれる滞留空間を作ります。
  • 明確な利用ルールの掲示: ワクチン接種の確認、ヒート(生理)中の利用制限、糞尿処理のマナーなどを視認しやすい案内板で明示することで、利用者同士のトラブルを未然に防ぎます。

おわりに:確かなノウハウで、長く愛されるドッグランを

ドッグランづくりは、「ただ柵で囲って芝生を敷けば完成」という単純なものではありません。犬の習性を知り尽くし、安全を計算し尽くした空間設計があってこそ、施設オーナーにとっても利用者にとっても「安心・安全な価値ある空間」となります。

DOGLABO(信建工業)は、約20年にわたり数多くのドッグラン施工を手掛け、企画・設計から施工、メンテナンスまでを一気通貫でサポートしてきました。

安全で持続可能なドッグランの設置をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。貴施設の強みを最大限に引き出す、最適なプランをご提案いたします。

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